日本三大急流の最上川。記録的な大雨の9時間後に氾濫。治水の限界。

雨が止んでも、1日は注意が必要。

山形県の山間に流れる一級河川であり、日本三大急流の一つ最上川。近年では大きな氾濫も無く、災害等で滅多に名前を聞くことも無かった。

今回の中流域の氾濫は、氾濫した中流域以上に、上流域への広範囲にわたって降った雨が9時間後に一気に流れ込んだのが原因だ。

調べて見たが、昔は大きな災害が起きていましたが、いろいろな対策で近年は大きな水害はありませんでした。地元のおばあちゃんもここまでは初めてだと自然の驚異に驚いていました。53年ぶりの氾濫だそうです。

(国土交通省 東北地方整備局より)

昭和の記録

太古から氾濫を繰り返してきた最上川。その洪水の歴史も古くからありますが、ここでは昭和の時代から紹介します。昭和8年に内務省直轄として現代のような本格的な最上川の改修工事が始まりました。しかし、昭和19年、42年、44年、50年と集中豪雨などにより、大きな洪水が県下を襲いました。特に昭和42年8月の羽越水害は県南部を襲い(小国532ミリ、長井292ミリ)、死者8名、負傷者137名という未曾有の洪水で、激甚災害に指定されました。

平成の記録

平成9年6月台風8月により内陸部を中心とした大雨、平成14年7月には梅雨前線と台風6号の影響により各地で大雨となり、最上川中流部では浸水や漏水による被害が発生しました。また、平成25年7月の洪水でが低気圧の影響により月山周辺で大雨となり、昭和42年8月の羽越豪雨に次ぐ出水となった。次いで平成26年7月洪水では長井南陽地区を中心に大雨となり、支川吉野川の県管理区間において2年連続で家屋等の浸水被害が発生した。
さらに平成27年には関東・東北豪雨により、茨城県の鬼怒川や宮城県の鳴瀬川の支川渋井川で破堤による甚大な被害が発生した。山形県内は最上小国川等で浸水被害が発生したが、最上川沿川では近年大きな被害は発生しておらず、長年にわたり河川改修や洪水調節施設の整備により被害が大幅に軽減されました。

最上川は、熊本県の球磨川と違いダムでは無いですが治水対策を取ってきた河川です。平成7年に完成した、最上川さみだれ大堰(日本最大級のラバーダム)の完成などが挙げられています。ラバーダムとはゴムに空気を入れる事で堰をつくり、水流をコントロールする技術で、ローコストでできる対策です。

熊本県の球磨川、九州4県を流れる筑後川なども、治水の限界を超えた雨で災害を受けてしまっていますが、人間の力では限界があるのかもしれません。昨年の首都圏台風19号も、夜が明けてから一気に水量が上がり、何度も様子を見に行きました。(※本当は危険なのでダメですよ)とにかく、上流域に雨が降った場合は注意が必要です。



日本国内

Posted by master